米国とイランが戦闘終結に向けた覚書に合意した。パキスタン首相の仲介を経て、日本時間15日朝に両国が発表した内容だ。19日にはスイスで正式署名が行われる予定で、ホルムズ海峡の航行再開に向けた動きが具体化している。

この合意により、中東地域の緊張緩和が期待される。106日間に及んだ戦闘の終結は、エネルギー供給網の安定化にもつながる見通しだ。日本政府もこれまで外交努力を続けており、高市首相は歓迎の意向を示した。

合意の背景と経緯

米イラン間の戦闘は2月28日に勃発した。イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖が、世界の原油・LNG供給の約5分の1に影響を及ぼした。トランプ米大統領とイラン側が合意成立を相次いで表明し、覚書内容の最終決定に至った。

パキスタン首相のシャリフ氏によると、交渉は長時間に及び、合意はギリギリのタイミングでまとまった。イラン側はこれを「大きな勝利」と位置づけつつ、核問題などのさらなる交渉を先送りする方向で調整したという。

ホルムズ海峡の扱いと60日間の猶予

合意の焦点の一つがホルムズ海峡の開放だ。覚書では19日の署名後、航行が再開される見込み。最初の60日間は料金徴収が免除されるが、その後はイラン側が料金を課す方向で調整が進んでいる。

トランプ大統領は「船はエンジン始動を」との表現で航行再開を促した。イラン側もこれを受け入れ、供給路の正常化が急がれている状況だ。

原油・株式市場への即時影響

合意発表後、原油価格は急落した。WTI原油先物は4.75%安の水準まで下がり、インフレ懸念の後退につながった。米国株はリスクオンで反応し、ナスダックは3%超の上昇を記録した。

日本市場でも日経平均株価が大幅高となり、史上初の6万9000円台に到達したとの報道もある。投資家心理の改善が背景にあり、半導体関連株を中心に資金が流入した。

日本政府の対応と今後の焦点

高市首相はイタリア訪問中の15日、メローニ首相との会談でこの合意を歓迎した。G7サミットでの議論にもつなげる考えを示している。ホルムズ海峡の自由で安全な航行確保が最優先課題と位置づけられている。

正式署名は19日。覚書内容の着実な履行と、核問題を含む包括的な合意への道筋が注目される。市場やエネルギー価格への影響は引き続き注視される状況だ。