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法人AI活用

中小企業のAI推進者不足が顕在化、「足りている」は11.1%――クラウドワークス調査が見た導入の壁

デイリートピックス編集部公開: 2026/09/16約4分で読めます0 views
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クラウドワークスが発表した「中小企業のAI活用レベル調査」によると、AI導入を主導する人材「AI推進者」が社内で「足りている」と回答した企業は11.1%にとどまることが分かった。従業員数5~299名の企業の経営者・役員・部長クラス576社を対象に実施された調査では、採用・育成・外注のいずれのルートでも、確保を検討した企業の半数近くが中断または未着手という実態が明らかになっている。生成AIの実務利用が広がるなか、AI活用の議論が大企業を中心に進む一方、中小規模の企業層では何が障害になっているのかを映す内容だ。

6段階で測る「AI活用レベル」という枠組み

調査では、中小企業のAI活用状況を6段階のレベルで確認した。もっとも低い「Lv.0」は「関心なし」、もっとも高い「Lv.5」は「複数のAIによる業務全体の最適化」と定義されており、単にツールを導入済みかどうかではなく、業務全体のどこまでAIが組み込まれているかを段階で捉える設計だ。生成AIの利用が個々の社員の裁量に委ねられやすい中小企業の実情を踏まえると、組織としての取り組み度合いを測る物差しとして設計されたとみられる。

回答対象が経営者・役員・部長クラスに絞られている点も特徴だ。現場の一部の利用ではなく、経営層が認識する社内全体の水準を反映した数値となっている。専任のIT部門やDX部門を持たない企業が多い中小規模の企業層では、AI活用の進み具合は企業ごとの事情に大きく左右されており、今回の調査はその実態を一括して見える化する試みといえる。

11.1%が映す「AI推進者」不足の構図

調査の中核となるのが、AI導入を主導する「AI推進者」の確保状況だ。AI推進者が「足りている」と回答した企業は11.1%にとどまった。生成AIの登場以降、導入を検討する中小企業は増えているとみられるが、実際に社内で取り組みを牽引できる人材を確保できている企業は限られていることを、この数字は示している。

AI推進者は、ツールの選定や導入、社内での使い方の共有、セキュリティやガバナンス面の整備まで広く担う存在だ。個々の業務でAIを使いこなす人材がいても、それを組織の仕組みに変換できる人材がいなければ、取り組みは個人の試みの域を出にくい。「道具はあるが、動かす人がいない」という構図が、中小企業のAI活用をより深い段階へ進められない一因になっていると考えられる。

採用・育成・外注、半数近くが中断か未着手

AI推進者の確保を検討した企業のその後の動きも明らかになった。採用・育成・外注のいずれのルートについても、半数近くが中断または未着手という。検討段階から実際の確保に至る過程で、コストの見合いや人材の見極めの難しさ、着手するためのノウハウ不足などが壁になっているとみられる。人材市場全体でAI・DX人材の獲得競争が続くなか、中小企業が採用だけで専任人材を確保する難易度が高い事情は推察される。

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とりわけ外注については、3社に1社が検討したことすらないという結果も出ている。外部の専門人材に一部を委ねるという選択肢が、中小企業の経営層にとってまだ現実の手段として浸透していない実態がうかがわれる。今回の調査を実施したクラウドワークスはクラウドソーシングサービスを運営しており、外部人材の活用が社内リソースの不足を補う手段になりうるという文脈での発表と位置づけられる。

確保に向けた動きが止まりやすい背景には、導入効果を事前に測りにくい事情もあるとみられる。AI推進者の役割は定型業務の効率化に留まらず、社内ルールの整備やリスク管理にまで及ぶため、費用対効果の説明が難しく、経営判断が一歩踏み出せないケースがあるという見方もある。

活用の深さと業務成果、分かれ目は人材

調査では、AI活用が進んだ企業ほど業務面で良い結果につながる傾向も併せて示されている。導入レベルが高い企業では、単発の効率化にとどまらず、業務の設計自体を見直す動きにつながっている可能性がある。生成AIの効果は資料作成や情報整理、アイデア出しなど幅広い業務に及ぶため、活用の深さによって得られる成果の質も変わってくるとの見方がある。

そのうえで、企業間の差を生む要素として「推進者」の存在が浮かび上がった形だ。どのAIをどの業務に組み込むかを判断し、社内に定着させる役割を担う人材がいるかどうかが、導入の成果を左右する構図が中小企業の層でも確認された。モデルやツールの進化が速い時期ほど、それを選んで運用に落とし込む側の人材の重要性は高まると考えられる。

大手との差を埋める条件

生成AIを巡っては、大手企業で全社業務への導入や専任組織の設置が相次ぐ一方、中小企業の取り組みは緩やかだと指摘される。今回の調査は、その差の背景に「推進者」と呼べる人材層の厚みが関わっていることを数値で示した。確保のルートごとに着手が進まない現状が続けば、企業間の差がさらに広がる懸念もある。

11.1%という数字は、中小企業のAI活用が個人の工夫の段階から組織としての段階へ移るうえで、最初の関門が人材にあることを示唆している。採用・育成・外注という三つのルートがどこまで機能し始めるかが、中小企業のAI活用の広がりを左右する焦点になると見られる。

出典・参考リンク

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