法人AI活用
コーセーがカスタマーサポート接続率100%を達成、AI実装で変わる企業現場と経営
デイリートピックス編集部公開: 2026/09/18約3分で読めます0 views
日経クロステックの特集「ManAIgement(マネイジメント)〜AIが革新する経営」は、AIを経営に組み込んだ企業の取り組みを9つの業務分野に分けてリポートしている。その第10回で取り上げられたのが、コーセーによるカスタマーサポートの接続率100%達成だ。同社はAIを活用した問い合わせ対応の自動化と効率化を進め、接続率100%を実現した。
この事例は、AIが担当者の補助ツールにとどまらず、サポート業務の設計そのものを変えつつあることを示している。日経クロステックの報道によると、カスタマーサポート領域ではAIによる問い合わせ対応の一部自動化が進み、企業は創出した余力を顧客理解などの業務に振り向けられるようになったという。
AIが変えるCRMの役割
従来、カスタマーサポートは問い合わせ処理に追われる部門とみなされることが多かった。しかし、AIが定型的な対応を担うことで、担当者は一人ひとりの顧客に向き合う時間を確保できるようになる。コーセーの事例は、そうしたCRMの在り方の変化を象徴している。
日経クロステックの特集が指摘するように、AI活用によってCRMの在り方そのものが変わりつつある。問い合わせ対応の自動化・効率化で生まれた人的リソースを、顧客理解の深化や関係構築に充てる。サポート部門がコストセンターから価値創出の部門へと役割を変える動きが、実際の成果を伴って現れ始めた。
保険業界でもAIエージェントが本格稼働
コーセーの取り組みと並んで、全社規模でAIを実装する企業も増えている。保険・損保業界の事例をまとめたAI革命株式会社の記事によると、東京海上日動はAI活用により年間約9万時間の業務削減を達成。SOMPOはAIエージェントを約3.4万人の社員に展開しているという。
いずれも公式リリースで公表された数字をもとにしている。AIによる業務効率化が、一部部門やパイロット導入の段階を超えて本番運用に入っていることをうかがわせる。損保各社は保険金請求の査定や顧客対応、事務処理など膨大な定型業務を抱えており、AIとの親和性が高いとされる。
2026年は「AIエージェント元年」、実装は9分野に広がる
日経クロステックの特集は、2026年を「AIエージェント元年」と位置づける。業務の目標地点を理解した上で自律的に考えて動くAIエージェントが、現実の業務に入り込み始めたためだ。特集では、システム開発の分野でAIが自律的にコードを生成する「コーディングエージェント」をMIXIとマネーフォワードが全領域に導入し、属人性の排除を進めている事例や、東急とひとまいるがIT資産管理とサイバー対策をAIで両立させようとする取り組みも紹介されている。
広告・マーケティング分野でも変化が起きている。「ChatGPT広告」の登場で、コンテンツ制作やターゲット層の絞り込み、顧客接点の創出、効果検証といった業務の効率化が加速しているという。コーセーのカスタマーサポート事例は、こうした業務分野別のAI実装の流れの中で、顧客対応領域における一つの到達点として位置づけられる。
経営再設計を迫られる企業
特集は、AIは単なる効率化ツールではなく、業務のあり方を根本から作り変える経営のキーファクターになったと指摘する。企業の競争力の源泉は、AI活用を前提に経営や組織を再設計できるかどうかに移りつつあり、この戦略的資産を使いこなせない企業は競争からふるい落とされるという。
実際、コーセーの事例のようにAIを現場に導入して成果を出すには、ツールの選定だけでなく、業務プロセスの見直しや生まれた余力の配分先を決める経営判断が欠かせない。特集タイトルの「ManAIgement」は、マネジメントとAIを掛け合わせた造語だ。AIを組み込んだ経営のあり方を示すこの言葉は、AI活用が情報システム部門やDX推進部門だけの課題ではなく、経営戦略そのものに関わるテーマになったことを反映している。カスタマーサポートの接続率100%という数字の裏には、そうした経営の転換を実現した企業の姿がある。