富士通は2026年5月27日、OpenAIとの協業を発表した。同社のAIサービスラインナップにOpenAIの先進技術を組み込み、日本企業のAI活用を加速させる狙いだ。富士通が長年培ってきた業界知識や大規模システムの構築・運用ノウハウと、OpenAIのAI技術を組み合わせることで、企業向けAIの安全性と信頼性を高めるという。
この協業では、富士通が持つAIの信頼性を向上させる独自技術を統合し、AI利用における安全性、透明性、制御可能性を確保するための技術基盤と運用モデルを確立する。具体的な取り組みとして、OpenAIの技術を富士通のAIサービスに戦略的に組み込むことが挙げられている。
日本企業のAI活用が「使う」から「信頼して使う」段階へ
FCRが2026年7月に公表した「国内ユーザー企業における生成AI/AIエージェント利用実態調査 2026」によると、何らかの業務で生成AIを利用している日本企業は86.4%に達した。前年の55.2%から31ポイント以上増加しており、企業における生成AIの導入は急速に進んでいる。
一方で、同調査は日本企業の27.0%が「組織的な取組を何もしていない」と回答したことも報告している。米国1.4%、ドイツ4.9%、中国2.6%と比較すると、日本の企業はツールの導入率こそ高いものの、業務変革につなげる組織的な設計が遅れている実態が浮き彫りになった。
こうした中で、富士通とOpenAIの協業は、単なるAIツールの提供にとどまらず、企業がAIを本格運用する際に不可欠な「信頼性」の部分を強化する点に特徴がある。AIの出力が正しいかどうかを検証し、誤った情報を排除する仕組みを企業システムに組み込むことで、AIを業務の一部として安心して使える環境を整える。
富士通が持つ「AIの信頼性」を高める技術とは
富士通はこれまで、AIの判断根拠を説明する技術や、AIが生成した情報の正確性を検証する技術を開発してきた。これらの技術をOpenAIのモデルと組み合わせることで、企業の重要な業務でAIを使う際に求められる「説明責任」と「監査可能性」を確保する。