Notion Labs Japanが2024年4月に発表した「日本企業における生成AI活用実態調査」は、ナレッジワーカー1,000名の回答から、生成AIが業務の日常道具へ浸透しつつある一方で、組織としての活用基盤や満足度には深い溝がある現実を示した。週1日以上の利用者が64%に達し、毎日使う層も2割を超えるなど個人の導入は加速しているが、「とても満足している」と答えたのはわずか12%にとどまり、出力の凡庸さや独自性の欠如が最大の不満として挙がった。
急速に進む個人レベルの浸透、週1利用64%の現実
調査によると、業務で生成AIツールを週1日以上利用している割合は64%、うち20%以上が毎日利用しており、AIが多くのナレッジワーカーにとって日常的な壁打ち相手となっていることがわかる。20代と管理職は他の層に比べて高頻度で活用しており、世代や役職による活用格差も鮮明だ。
用途別では文章生成・チャットボットが41%で最も高く、生産性向上・調査支援(38%)、コーディング・開発支援(23%)と続く。今後も使いたいと回答したのは87%に上り、継続利用への意向は極めて強い。
「凡庸な出力」に見る満足度の壁、求められる独自性と連携
現状のAIツールについて「ある程度満足している」は66%を占めるが、「とても満足している」は12%にとどまる。このギャップは、AIが業務を支える補助ツールとして機能しつつも、実務のパートナーとして期待を超える体験を提供できていないことを示す。
最も重要な課題として挙げられたのは「出力が凡庸で独自性に欠ける」点であり、利用者は自社独自の文脈や既存ツールとの連携を強く求めている。汎用的なモデル能力だけでなく、社内ナレッジを踏まえた出力ができるかどうかが、実務定着の分水嶺になっている。
組織環境は真っ二つ、最大の壁は「スキル・トレーニング不足」
企業としてのAI活用環境が「整っている」と答えたのは49%、「整っていない」は51%と真っ二つに分かれた。企業規模による格差も顕著で、ルール整備や教育、ツール提供が現場主導の利用に追いついていない実態が浮かぶ。