副業AI活用
契約AI「MNTSQ CLM」に西村あさひが出資 大企業の5社に1社が使う法務DXの中身
デイリートピックス編集部公開: 2026/09/25約5分で読めます0 views
契約書の作成・審査・管理を一気通貫で支援するAIサービス「MNTSQ CLM」を展開するMNTSQが、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業と出資を含む戦略的協業を発表した。日本を代表する法律事務所の一つが、契約業務DXのプラットフォームに新たなパートナーとして加わることになる。法務分野のAI活用が、企業単独の導入から法律事務所との連携へと広がっている。
MNTSQの発表によると、MNTSQ CLMは売上高1兆円以上の国内企業の約5社に1社で利用されている。生成AIを含むテクノロジーの発展が法務サービスのあり方を変えるなか、契約管理AIが大企業の法務現場で広く使われる段階に入ったことを示す数字だ。法律事務所のノウハウを機械学習と掛け合わせるという方針が、大手企業の契約実務に浸透した形である。
創業時から大手法律事務所に支えられた契約特化AI
MNTSQは「すべての合意をフェアにする」を掲げて設立された。創業当初から四大法律事務所の一つである長島・大野・常松法律事務所の全面的なサポートを受け、契約・法務に特化した独自の機械学習をコアにサービスを開発してきた。この開発体制は、法律事務所の知見をAIに取り込む方法として現在まで続いている。
メインサービスとなるMNTSQ CLMは、契約の作成・審査・管理からナレッジ化までを一気通貫でサポートする。契約情報を整理・蓄積し、必要なときに取り出せるようにする仕組みで、法務部門の業務負担を減らす。売上高1兆円以上の国内企業の約5社に1社が導入するに至ったのは、このナレッジ管理の仕組みが評価されたためだ。蓄積された契約情報は、その後の契約交渉やリスク確認にも活用できる。
西村あさひを迎えた戦略的協業の中身
今回の協業では、西村あさひがMNTSQのプラットフォームに加わる。両社は、西村あさひの膨大なナレッジの整理・分析を通じてMNTSQ CLMの更なる改善を実現する予定だとしている。MNTSQは、生成AIを含むテクノロジーを効果的に利活用するにはデータ基盤の整備が必須だという認識を示している。出資を含む形での協業である点も、今回の発表の特徴の一つだ。
西村あさひの執行パートナーである中山龍太郎氏は、生成AIを含むテクノロジーの発展が社会のあり方やリーガルサービスのあり方を大きく変えようとしているとコメントした。データの整備とナレッジマネジメントの強化が必須だとして、これまでも様々なシステムの導入を進めてきたと明かす。そのうえで、MNTSQとの戦略的協業により次の大きな一歩を踏むことができると述べている。同法律事務所は「法の支配」を礎とする豊かで公正な社会の実現を基本使命に掲げており、テクノロジーへの対応もその延長線上にあるという立場だ。
最初の取り組みとして、西村あさひ×MNTSQの協業発表記念セミナーがオンラインで開催された。企業法務とテクノロジー活用の未来をテーマに、参加費無料・定員500名で実施され、アーカイブ配信も行われた。協業発表とあわせて、両社の連携内容を法務関係者に示す最初の場になった。
副業で法務・契約業務に携わる人への影響
この協業が示すのは、法務という専門職の現場でもAI活用が「試す段階」から「業務の前提を組み替える段階」へ進んでいることだ。MNTSQ CLMの導入企業が売上高1兆円以上の大企業に広がっている事実は、契約管理AIが企業の契約情報を管理する基盤として使われ始めていることを意味する。契約書の電子データ化とAIによる審査は、一部の先進企業だけの取り組みではない。
副業で契約書チェックや法務リサーチ、文書整理を請け負う個人にとって、クライアント企業がどのように契約情報を管理しているかは作業の進め方に直結する。MNTSQ CLMが作成・審査・管理・ナレッジ化の一気通貫をうたうように、契約実務のデジタル化が進む環境では、書類単位のレビューに加えて、システム上に蓄積された契約データを確認・整理する作業が生まれる。そこでは、AIの処理結果を確認できる法務知識と、データの扱いに慣れたスキルの両方が求められる。
副業案件の獲得という観点でも、クライアント企業が導入する契約管理AIの種類や運用方法を把握しておくことは、業務の受け方に直結する。作成からナレッジ化までを一貫して扱うMNTSQ CLMのようなサービスが大企業で使われる現場では、外注される作業もそうしたシステムに沿った形になる。契約書レビューひとつを取っても、クライアントが使うシステムを理解しているかどうかで、作業の進め方は大きく変わる。
契約情報のデータ化が広げるAI活用の領域
MNTSQ CLMの特徴は、契約書を「審査して終わり」にしない点にある。作成・審査・管理の各段階で得られた情報をナレッジとして蓄積し、その後の契約実務に活かす仕組みだ。西村あさひがこのプラットフォームに参加することで、法律事務所が持つ膨大なナレッジと契約AIの技術が結びつく。契約の作成段階からナレッジ化まで一貫して扱える点が、企業がこの種のツールを導入する理由の一つになっている。
MNTSQと西村あさひは、ナレッジの整理・分析を通じたMNTSQ CLMの改善を今後の活動に挙げている。企業法務の現場では、AIが処理した契約情報を誰がどう確認し、どのように蓄積していくかという運用面の設計も問われる。法務知識を持つ人材にとって、AIツールを業務の一部として扱う視点は、これまで以上に求められている。
四大法律事務所と組む法務AIの立ち位置
MNTSQの設立を支援した長島・大野・常松法律事務所に加え、西村あさひが協業パートナーになることで、MNTSQは四大法律事務所のうち2つと深い関わりを持つことになる。MNTSQは「今後も最先端の現場にベストなテクノロジーやノウハウを提供していくにあたって、日本を代表する法律事務所の一つである西村あさひがプラットフォームに新たに加わることには大きな意義がある」と説明している。創業時に支援した法律事務所と、今回の協業相手がともに四大法律事務所である点も注目される。
法律事務所のナレッジをAIにどう取り込むかという点は、MNTSQのサービス開発の中心にある。創業時から長島・大野・常松法律事務所のノウハウを機械学習と掛け合わせてきたMNTSQにとって、西村あさひとの協業はナレッジ供給の仕組みを強化する取り組みになる。中山氏がこれまでも様々なシステム等の導入を進めてきたと話すように、大手法律事務所のデジタル化は着実に進んでいる。