Supabaseは2026年10月2日、SQLite互換データベースを開発するTursoを買収すると発表しました。両社は、既存のTurso利用者に必要な変更はなく、TursoのSQLite開発も続けると説明しています。今回の発表は、Postgresを中心にサービスを提供するSupabaseが、エージェントごとに小さなデータベースを割り当てる構想へTursoを加える動きです。
買収後もTursoのSQLite開発を継続
TursoとSupabaseは、AIエージェントが短時間の作業やユーザーごとの処理を並行して進めると、エージェントごとに分離したデータベースが必要になると説明しました。TursoはSQLiteをRustで再実装したデータベースと、クラウド上で多数のデータベースを管理する基盤を開発しています。SupabaseはPostgresを中心としたサービスを提供しており、両社は軽量なデータベースからPostgresへ移る道筋を共同で整える考えです。
TursoのGlauber Costa氏はSupabaseでAgentic Services部門を率い、Pekka Enberg氏らTursoのチームもSupabaseに加わります。両社は今後、TursoとSupabaseの連携を深める方針を示しましたが、具体的な機能や提供時期は発表していません。
Turso 0.8は並行書き込みのベンチマークを公開
Tursoは9月28日にデータベースエンジン0.8.0を公開し、翌29日に0.8.1をリリースしました。0.8では、複数の書き込みトランザクションを同時に処理する`BEGIN CONCURRENT`と、トランザクションをまとめてディスクへ確定するgroup commitを使い、同時書き込み時の待ち時間と処理件数を改善したと発表しています。
Tursoのレイテンシ測定では、毎秒1,000件のトランザクションを発生させ、予定時刻からコミット完了までを計測しました。32接続時の99.9パーセンタイルはTursoが2.4ミリ秒、SQLiteが1.2秒で、Tursoは約500分の1でした。別のスループット測定では、64接続がそれぞれ重ならないキーへ100行ずつ書き込む条件で、Tursoが毎秒9,500トランザクション、SQLiteが1,370トランザクションでした。
いずれもTursoが公開したマイクロベンチマークの結果です。一般的なアプリケーションで同じ差が出る保証はありません。また、Cloud版の並行書き込みは別途早期プレビューとして案内されており、機能の有効化と`tursodb`型データベースの作成が必要です。ローカル版のベンチマークをCloud上の全データベースに当てはめることはできません。
0.8には、ウィンドウ関数の完全サポート、`WITH RECURSIVE`による再帰クエリ、MVCC環境で動く全文検索、クエリオプティマイザーの改善も含まれています。性能改善だけでなく、SQLiteと互換性のあるSQL機能の拡充も進めています。
Turso Cloudは4地域を追加
Turso Cloudは10月1日、Sydney、São Paulo、Central Canada、Stockholmの4つのAWSリージョンを追加しました。サービスは合計10リージョン、4大陸で利用できます。Tursoの計測では、SydneyのアプリからTokyoのデータベースへ接続する往復時間は約109ミリ秒でしたが、Sydneyリージョン内では約1ミリ秒でした。これは2026年9月30日のCloudPing中央値であり、個々のアプリでの応答時間を保証する値ではありません。
新リージョンは応答時間を短縮したいチームだけでなく、国内にデータを置く要件を持つチームにも関係します。リージョンを選ぶときは、アプリとの距離に加えて、データ所在地の要件と利用するデータベース機能の提供状態を確認する必要があります。
削除したDBを5日以内に復元
Tursoの有料プランには、削除したデータベースを最大5日間、追加料金なしで復元できるAccident Protectionも加わっています。復元は管理画面またはTurso MCP Serverから行えます。MCP Serverを使えば、AIコーディングツールからデータベースを戻す操作も可能です。対象は有料プランで、無料プランの利用者にも同じ条件が適用されるとは発表されていません。
