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Zendesk、AI回答に使った情報源を顧客が確認できる新機能――カスタマーサポートAIの透明性が変わる

デイリートピックス編集部公開: 2026/09/15約5分で読めます0 views
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カスタマーサポートの現場では、AIチャットボットによる自動応答が急速に普及している。まだ問い合わせ内容を理解できず、定型文を返すだけのチャットボットは以前から存在したが、いまは生成AIを組み込んだAIエージェントが、FAQの参照から返品手続きの案内までを自然な会話で処理するようになっている。その一方で、AIが答えた内容の根拠を顧客が確かめる手段は限られていた。この状況を変えるアップデートが、顧客対応プラットフォームを手がけるZendeskから発表された。Zendeskが公式コミュニティで公開したリリース概要によると、AIエージェントが回答を作る際に参照した情報源を、顧客が確認できる機能が追加された。Web Widgetとソーシャルチャネルで、AIが生成した返信のソースを別ビューで表示できるようになるという。

この機能の特徴は、チャットの会話を妨げずに透明性を確保する点にある。従来のチャットボットでは、回答の根拠となるヘルプセンター記事やFAQを画面内に埋め込もうとすると、表示が煩雑になりがちだった。Zendeskの新機能は、AIの返信に付随する形でソースを開けるようにし、必要なときだけ根拠を参照できる設計を採用している。AIエージェントの導入が進むほど、回答の裏付けを見せたいという顧客のニーズは高まる。

AIエージェントが「根拠を示す」仕組み

Zendeskが追加したのは、AIエージェントが参照した情報源を、顧客の操作で別ビューに開く仕組みだ。返品条件や契約内容の問い合わせに対して、AIがどの記事を参考に回答したのかを、顧客自身がクリックして確認できる。これまでAIチャットの回答をそのまま信じるしかなかったユーザーにとって、判断の手がかりを得られる変化になる。

企業担当者にとっても、この機能の意味は大きい。AIエージェントの回答に誤りがあった場合、どのナレッジを参照したのかを追跡できるからだ。Zendeskは今回のアップデートを「AIと知識」の領域に位置づけている。AIエージェントの精度を左右するのは、参照するナレッジの質と管理方法だからだ。回答の根拠を可視化することで、どの記事がAIに使われているのかを運用担当者が把握しやすくなり、情報の更新や削除といったメンテナンス作業にもつなげやすくなる。

なぜ今、透明性が求められるのか

カスタマーサポートAIの役割は、定型的な質問に答えるだけにとどまらない。注文状況の確認や契約変更の案内など、顧客の意思決定に影響する場面にもAIエージェントが登場している。顧客がAIと接する機会が増えれば増えるほど、その回答に誤りがあった場合の企業リスクも大きくなる。だからこそ、AIがどのような情報に基づいて回答したのかを説明できる仕組みが求められている。

とりわけ欧州では、AIシステムの透明性や説明可能性を求める規制の議論が続いており、企業が導入するAIの要件にも影響を与えつつある。AIの判断根拠を人間が確認できないシステムは、事業によっては利用が難しくなる可能性も指摘されている。国内企業でも、海外展開の際にAIシステムの判断根拠を説明できることが求められるケースが増えるとみられる。Zendeskの新機能は、そうした流れに沿って、エンドユーザーにも分かりやすくAIの根拠を示せるようにした点で注目されている。

AIが顧客と直接対話する場面では、回答の正確さに加えて、どうしてその回答に至ったのかを伝える「説明」が顧客体験の一部になる。購入前の問い合わせにAIが答えた内容が、購入後のトラブルまで左右することもある。説明責任は法規制の問題であると同時に、顧客との信頼関係を築くための実務上の課題としても捉えられるようになってきた。

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同じ時期に相次ぐAI基盤の強化

AI製品の変化はZendeskだけにとどまらない。BigDATAwireの報道では、Salesforceがエンタープライズ向けに「AIハーネス」を導入し、企業がAIを安全に運用するための6つのコア機能を提供すると伝えられている。データの管理やプロンプトの制御、監査など、AIを業務に組み込む際の基盤をまとめて整備する取り組みだ。AIモデルの性能だけに頼らず、企業側の管理体制まで含めて製品化する動きが広がっている。

また、ScaleOut Softwareは「ScaleOut Product Suite Version 7」を公開し、生成AIにリアルタイムの運用データを組み込む仕組みを打ち出した。これにより、AIが現在の業務状況を踏まえた回答を生成しやすくなるとしている。各社の動きに共通しているのは、AIモデルそのものよりも、企業のデータや業務コンテキストとどう接続するかを重視している点だ。

日本企業の運用に求められる変化

Zendeskは国内のカスタマーサポートでも広く利用されている。日本語のヘルプセンター記事や社内マニュアルをAIに読み込ませている企業にとって、回答の根拠表示は運用のあり方を考え直すきっかけになる。

AIが参照した情報源を顧客が見られるようになると、ナレッジベースの内容が古いままだと、誤った案内がそのまま可視化されてしまうリスクも生じる。企業側は、AIが参照する記事の更新頻度や品質管理体制をこれまで以上に意識する必要がある。Zendeskの新機能は、AIの透明性を高めると同時に、ナレッジ管理の重要性をあらためて浮き彫りにする。

さらに、回答の根拠を顧客に見せる運用は、企業の誠実さを伝える手段にもなる。AIの導入に不安を感じるユーザーでも、回答の出どころを確かめられれば、利用への抵抗感が和らぐ可能性がある。カスタマーサポートAIは、導入の可否を議論する段階から、いかに正確で信頼できる運用を続けるかという段階に移っている。Zendeskの今回のアップデートは、その運用の中心に「根拠の可視化」を据えた一例として、今後のAI製品にも影響を与えそうだ。

出典・参考リンク

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