Sakana AIが提供する対話AIモデル「Fugu」シリーズのうち、高性能グレードにあたる「Fugu Max」と「Fugu Ultra v2」には、ユーザー側で特定モデルを除外する設定がないとみられる。noteに投稿された検証記事とその周辺情報が指摘している。
AIモデルを外部API経由で利用する企業にとって、データがどのモデルに渡るのかは無視できない論点だ。Sakana AIはこれまで「Fugu」という無印モデルを用意し、ユーザーがデータやプライバシー、コンプライアンス要件に応じてプール内の特定モデルを除外できる機能を提供していた。今回、この除外設定ができるのは無印の「Fugu」だけになったという。
性能重視の「Fugu Max」「Fugu Ultra v2」で何が起きたのか
投稿によると、Sakana AIが今回リリースした「Fugu Max」と「Fugu Ultra v2」には、この除外機能が搭載されていないという。note記事で紹介されている公式FAQでは「Fugu Ultra v2は性能を出すために全プールを使うためプールは固定」「Fugu Maxもコストと性能の両方を最適化する必要があるためプールは固定」と説明されている。つまり、高性能グレードほどモデルプールの構成が固定され、ユーザー側の選択肢が狭まる設計になっている。
無印のFuguは、プール内に複数のモデルが含まれることを前提にした仕組みだ。特定モデルを除外できることで、自社のポリシーに合わないモデルを避けられる一方、Fugu MaxとFugu Ultra v2では、プール全体をまとめて利用することになる。公式FAQの説明をそのまま読むと、性能とコストの最適化を優先するために、ユーザー個別の設定を受け付けない方針が明確に打ち出された格好だ。
無印Fuguだけがもつ「特定モデル除外」機能
これまでのFuguシリーズは、モデルプール方式を採用していた。ユーザーは自分の用途や企業のルールに合わせて、プール内の一部モデルを除外できた。たとえば外部送信に慎重なデータを扱う企業が、特定のモデルを避けたい場合に有効な機能だ。こうした柔軟性は、国内企業がAIを導入する際の安心材料にもなっていた。
ところが今回の新グレードでは、その柔軟性が意図的に外された。note記事で紹介された公式FAQの記述を踏まえると、「性能を出す」ことを最優先にした結果としてプール全体を使う必要があり、特定モデルだけを除外する運用は想定していない、という判断が透けて見える。コストと性能のバランスを両立させるには、プール構成を固定するほうが効率的だ、というエンジニアリング上の理由も考えられる。