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SDカード新規格「SD Express 9.0」が登場、最大転送速度4GB/sでカメラとPCの常識が変わる
デイリートピックス編集部公開: 2026/09/17約3分で読めます0 views
SDカードの新規格「SD Express 9.0」が正式発表
SDアソシエーションは2025年5月、次世代メモリーカード規格「SD Express 9.0」を正式に発表した。最大転送速度は従来のSD Express 8.0から約2倍となる4GB/sを実現。PCIe Gen4 x2レーンに対応し、UHS-Iの約40倍という規格上の理論値に達する。
新規格では、従来のSD Expressシリーズが抱えていた「速度は出るが発熱が大きい」という課題に対し、新たな熱管理仕様「Thermal Management 2.0」を導入。カード側に温度センサーと動的スロットリング機能を搭載し、長時間の連続書き込みでも安定したパフォーマンスを維持できるとされる。SDアソシエーションの発表によると、同規格はプロフェッショナル向け写真・動画撮影市場を主ターゲットにしており、8K/12K RAW動画の長時間収録や、高速連写バッファからの即時書き出しを想定している。
なぜ今「SD Express」なのか
ここ数年、SDカードの高速化は「SD Express」と「UHS-II」の2路線で進んできた。UHS-IIは普及価格帯のカメラにも搭載が広がった一方、SD Expressは対応機器が限定的で、当初期待されたほどの普及には至っていない。
その背景には、転送速度は高いものの対応カードリーダーやカメラが少なく、価格も高いという状況があった。とりわけ、SD Expressカードを挿した状態でカメラ本体が発熱する問題は長らく指摘され続けており、業務用途での採用をためらわせる要因になっていた。SD Express 9.0はこの発熱問題に正面から対処し、規格としての完成度を高めた形だ。
カメラ市場への影響は
ソニーはすでにCFexpress Type Aを自社のフルサイズミラーレスに採用している。SD ExpressとCFexpress Type Aは同じPCIeレーンを利用する点で技術的な親和性が高く、今回のSD Express 9.0はそうした採用状況とどう整合するのかが注目される。
現時点でSD Express 9.0対応の実機が発表されたわけではないが、SDアソシエーションは「2027年にかけて対応カードと対応機器が順次登場する見込み」としている。ニコンやキヤノンのエントリー〜ミッドレンジ機への搭載が進めば、これまでCFexpressしか選べなかった高速記録の選択肢が広がる可能性がある。
転送速度だけじゃない「読み出し」の進化
SD Express 9.0では、カメラ内記録の高速化に加えて、PCでの読み出し速度も大幅に向上する。従来のUHS-IIカードリーダーでは約300MB/sが上限だったのに対し、SD Express 9.0対応リーダーでは最大4GB/sでのデータ転送が可能になる。
これは、撮影後のデータ取り込み作業を大幅に短縮することを意味する。例えば、8K RAWデータ256GB分をPCに転送する場合、UHS-IIでは約14分かかるところが、SD Express 9.0では理論上1分強で完了する計算だ。編集ワークフローの効率化を求める映像制作者やフォトグラファーにとって、カードの容量と価格に加えて「読み出し速度」という指標の重要度が一段と高まることになりそうだ。
今後の普及シナリオと課題
SD Express 9.0の普及には、対応ホスト機器の拡充が欠かせない。SDアソシエーションは「既存のSD Express対応機器との下位互換性を維持している」と説明しており、SD Express 8.0対応機器でも9.0カードを従来速度で利用できる。ただし、9.0のフルスピードを活かすにはホスト側もPCIe Gen4 x2に対応している必要がある。
価格も当面は高止まりするとみられる。SD Expressカードの現行モデルは128GBで2万円前後と、同容量のUHS-IIカードの2〜3倍の価格帯だ。9.0世代の初期製品も、まずは業務用途向けから市場投入される見通しで、一般ユーザーへの普及は対応カメラの登場と価格低下を待つことになりそうだ。