リハビリテーション職を対象とした最新調査で、業務での生成AI利用率が前年の36%から86%へと大きく跳ね上がったと報告されています。PT-OT-ST.NETが2026年実施したアンケート(利用者90名)によると、利用者の約半数が毎日AIを使い、1日30分以上の時短を実感している層も同程度にのぼるとされています。副業として文書作成や情報整理を請け負う層にとって、AIが「試す道具」から「日常の作業基盤」へ移行しつつある実態が浮き彫りになりました。

利用ツールは複数併用が当たり前に

調査では、主なツールとしてChatGPTが77%で首位を守った一方、Geminiが前年36%から73%へ、NotebookLMが2%から50%へと急伸したとされています。1人あたりの平均利用ツール数は2.2個から3.0個へ増え、3つ以上を併用する割合は26%から61%へ拡大しました。用途別では「資料作成」80%、「書類作成」71%、「情報収集」67%が三強を形成し、「アイデア出し」62%、「議事録・要約」51%、「データ分析」42%が続くと報告されています。文書業務を軸に、情報整理や分析へ裾野が広がっているとみられます。

組織のルール整備が追いつかない現場の実情

職場環境を見ると、「個人判断で使っている」が54%で最多でした。組織として導入・運用しているのは12%、「ルールや注意事項がある」も13%にとどまるとされています。利用していない層の理由でも「職場にルールがない」「禁止・利用困難」が上位に挙がり、本人の意欲より環境側がボトルネックになっている構造が見えます。副業でクライアントワークを受ける際も、守秘義務やデータ取り扱いのガイドラインが曖昧なまま個人判断でツールを選定せざるを得ないケースが多いとされています。

毎日使う層が半数、時短実感も半数

利用者の48%が「毎日」使うと答え、1日30分以上の時短を実感する層は49%に達したと報告されています。必要性を高く評価する人は全体の約8割、利用者の満足度でも63%が高評価をつけたとされています。PT-OT-ST.NETの担当者は「リハ職にとってAIは『試すもの』から『日常的に使うもの』へ移りつつある」と総括しています。副業で企画書やレポート、マニュアル作成を手がける層にとって、下書き・要約・構成案出しをAIに任せ、人が最終確認・調整に集中するワークフローが定着し始めているとみられます。

今後の課題は「ルール整備」と「スキル標準化」

調査の自由記述には、プロンプト設計のノウハウ共有や、社内データを安全に扱える環境整備を求める声が寄せられたとされています。副業市場でも「AIを使った文書作成・情報整理」を謳う案件が増えるなか、ツール選定から運用ルール、品質担保までを一気通貫で提案できるスキルセットの価値が高まっていると考えられます。組織側のガバナンス整備と、個人側の実務ノウハウ蓄積の両面から、来年以降の実装フェーズが本格化しそうだという見方もあります。