MiniMax M3は2026年5月末に登場したオープンソースの大規模言語モデルである。企業の開発部門や情報システム部門で注目を集めている。入力100万トークンあたり0.30ドル、出力100万トークンあたり1.20ドルという料金水準と、最大50万トークンを超える出力容量を両立させた点が特徴だ。
背景には、生成AIの利用料とコンテキスト不足がPoCの障壁になってきた事情がある。大規模なコードベースを一度に読み込ませたいという要望は強い。複数ステップの処理を途中で切らずに走らせたい現場ニーズに応える存在として、テキストに加えて画像と動画を扱う点も注目されている。
オープンソースで登場したM3の基本仕様
M3はMiniMaxが提供するテキスト・画像・動画対応のモデルで、コンテキストウィンドウは524,288トークン、最大出力は512,000トークンと公表されている (kilo.ai)。キャッシュ読み取りは100万トークンあたり0.06ドルに設定されている。繰り返し参照する社内文書やコードの再利用時の負担を抑えられる構成だ。
先行するM2.7は2026年3月に登場し、コンテキストは204,800トークン、最大出力は131,072トークンとされている (kilo.ai)。入出力単価はM3と同一で100万トークンあたり0.30ドルと1.20ドルに据え置かれた。世代交代による値上げなく容量が拡大した形で、既存の検証環境を継続しやすい。
料金比較ではM2とM3のブレンドコストが100万トークンあたり1.50ドルで並ぶと整理されている (anotherwrapper.com)。入力0.30ドルと出力1.20ドルの内訳も共通とされている。単価の安定は予算管理を求められる法人利用で試算しやすい条件になる。
コーディングとエージェント処理での位置づけ
M3は自律的な実務処理と継続的な改善を担うモデルとして説明されている。マルチエージェントによる協調動作を想定した設計がうたわれている。社内の開発支援では、要件整理からコード生成、テスト作成、レビューまでを一連の流れで任せる使い方が意識されている。
ベンチマークではSWE-bench Proで59%、SWE Atlas Codebase QnAで37.9%、テスト生成で30.8%などの数値が掲載されている。動画理解のVideoMMMUで84.6%、Video Mmeで85.4%を示している。数値は公開評価の結果で、社内データでの当てはまりは別途確かめる必要がある。
比較評価ではgpt-oss-120bに対する優位が示され、総合スコアは62対74、品質順位は205位対129位と整理されている (lmmarketcap.com)。コンテキストは131K対約524K、最大出力は約11.8万対51.2万トークンと差が大きい。長い仕様書や複数リポジトリを横断する開発では、この容量差が作業設計を左右する。