OpenAIが2026年10月6日、ChatGPTの記憶(Memory)機能の刷新を発表した。これまで数週間ごとに自動要約され、上限に達していた過去のやり取りを、今後はユーザーが任意の文書を引き込む長期記憶方式へ移行する。「もう覚えられない」という表示が前提から外れる設計で、10月6日夜から段階的に提供が始まる。
対象は有料プランを中心に段階展開となり、無料プランの提供時期は公式に告知されていない。ChatGPT for BusinessおよびEnterpriseでは、管理者が記憶の保持期間と削除を制御するポリシーが同時に追加される。
記憶が「要約」から「引き込み」に変わる
従来の記憶は、会話履歴から重要情報をAIが抜き出して数週間単位で要約し、その要約を上限付きで保持する仕組みだった。要約が進むと容量に達し、「記憶がいっぱいです」という通知が出るため、ユーザーは手動で項目を削除するか、新しいチャットに切り替える必要があった。
新しい方式では、ユーザーが任意のファイルやテキストを引き込むことで、その内容を長期記憶として参照させる。引き込んだ文書は要約を経ずに保持され、会話中の指示でいつでも追加・編集・削除できる。引き込み単位で管理できるため、どの情報を覚えているかを一覧から確認する手間が減る。
会話履歴そのものを無制限に保持するものではなく、引き込んだ文書と明示的な指示が長期保持の対象になる点は従来と変わらない。過去のやり取りをすべて保存するモードではない点が仕様上の要点となる。
有料プラン優先、企業向けは管理機能も同時に
展開は段階的で、ProおよびPlusプランの対象ユーザーから順次提供される。BusinessとEnterpriseでは、記憶の保持期間を組織単位で設定し、退職者アカウントの記憶を一括削除できる管理画面が追加される。
管理ポリシーは記憶の保持期間と削除制御を扱い、組織単位で適用される。従業員個人のアカウント単位ではなく、管理者側から一括で統制できる点が今回の追加内容の中心となる。

