国税庁のオンライン申告システム「e-Tax」で、本人ではない利用者が他人の贈与税申告書などを閲覧できる状態になっていた。国税庁の説明を伝えた税務専門媒体によると、対象の申告書等は79人分で、別人の情報を閲覧した可能性がある利用者は19人。申告者に加えて贈与者や関与税理士の情報も含めると、個人情報の対象は203人分に上る。
国税庁はシステム改修時に不具合が発生したと説明し、機能を一時停止して修正した。閲覧可能になったこと、実際に閲覧された可能性があること、情報が外部へ流出したことは、それぞれ異なる段階だ。国税庁の説明を伝えた報道をもとに、影響と対応を整理する。
9月24日と25日に他人の申告情報が閲覧可能に
税務専門媒体「税のしるべ」が国税庁の説明として報じた時間帯は、2026年9月24日午前8時30分から同日24時までと、9月25日午前4時から午後3時58分まで。e-Taxマイページの「贈与税関係情報」で、本人以外の利用者が贈与税申告書などを閲覧できる状態になっていた。
国税庁は9月24日、贈与税関係情報の機能を充実させるシステム改修を実施していた。国税庁はこの改修時に不具合が生じたと説明している。ただし、公開された報道からは、プログラムのどの処理に問題があり、なぜ別人の情報を表示したのかまでは分からない。
閲覧可能だった申告書などは79人分で、実際に他人の申告書を閲覧した可能性がある利用者は19人。申告書には申告者だけでなく贈与者や担当税理士の情報も含まれるため、関係者を合わせた個人情報の対象が203人分となる。79人、19人、203人はそれぞれ申告書等の対象者、閲覧した可能性のある利用者、書類に記載された関係者の数で、同じ対象を数えた数字ではない。
氏名や連絡先、財産額などが対象
報道によると、申告書などには納税者の氏名、住所、電話番号、財産額などが記載されていた。贈与者と担当税理士の個人情報も含まれる。贈与税の申告情報は、誰から誰へ財産が移ったかや、その財産額に関わる情報を含むため、連絡先だけの閲覧可能状態とは異なる内容が対象となった。
税のしるべによると、国税庁は個人情報が閲覧可能になった対象者へ個別に連絡し、経緯を説明して謝罪している。また、国税局または税務署は、閲覧した可能性がある19人に連絡してデータ保存の有無を確認し、保存していた場合は削除を依頼した。同媒体は、閲覧者への確認と削除依頼が終了したと報じている。
共同通信配信の記事は、閲覧者が他人の申告書を保存した形跡はなく、情報の流出は確認されていないと伝えた。一方で、税のしるべは閲覧者への保存確認と削除依頼が終了したと報じており、保存確認の詳しい結果までは記事に記していない。
不具合は修正済み、技術的な原因は未公表
税のしるべによると、国税庁は事象が判明した後、e-Taxマイページに関する機能を一時停止し、システムを改修した。不具合は解消し、機能の利用を再開したという。メ~テレは、国税庁が謝罪し、再発防止策を徹底する方針を示したと報じている。

