企業の生成AI活用が、試行的な導入から日常業務に組み込む段階へ移りつつあるとみられる。マクロミルの発表によると、2026年の調査では官公庁・自治体の活用率が44%に達し、前年から14ポイント上昇して全業種で最大の伸びを示したとされる。文書作成や要約といった定型業務での効果が見えやすいことが、行政現場での広がりを後押ししているとみられる。
同調査では、ビジネスパーソンが1日平均75分の業務削減効果を得ていることや、平均2.3個のツールを併用している実態が示されたとされる。単一のサービスに依存する使い方から、目的に応じて複数の生成AIサービスを使い分ける段階に入っているという見方もある。
官公庁・自治体の活用が前年比14ポイント増
業種別で最も変化が大きかったのは官公庁・自治体だったとされる。マクロミルの発表によると、導入・活用率に導入検討中を含めた数値は44%に達し、前年比でプラス14ポイントとなったとされる。民間企業に比べて導入が慎重とされてきた公的機関が、ここにきて急速にキャッチアップしている構図とみられる。
背景には、議事録の要約や答弁資料の下書き、問い合わせ対応文案の作成など、文書量の多い行政業務と生成AIの相性の良さがあるという見方もある。定型業務の効率化という分かりやすい成果が、組織的な導入判断を後押ししているとみられる。
こうした動きは、国内全体の活用率の底上げにもつながっているという見方もある。AI総合研究所の解説では、大企業と中小企業の間に格差が残るとの指摘もあるが、行政の伸びは社会全体への普及を示す象徴的な変化とみられる。
1日平均75分の削減効果と2.3個の併用
業務への効果を測る数値として注目されるのが、1日平均75分という削減時間とされる。マクロミルの発表によると、生成AIを利用するビジネスパーソンは複数のツールを組み合わせ、資料作成や情報収集、メール文面の整理などに充てる時間を圧縮しているとされる。
平均併用数は2.3個とされ、チャット型の対話サービスとオフィスソフトに組み込まれたアシスタント機能を併用する働き方が一般的になりつつあるとみられる。複数の業種でユースケースの蓄積が進み、単なる時短ではなく業務プロセス自体の組み替えが始まっているという見方もある。
削減された75分の使われ方も変化しているとされる。調査では、空いた時間を企画や顧客対応、学習など付加価値の高い業務に振り向ける動きがみられるとされる。効率化の先にある働き方の変化が、現場の関心に上っているとみられる。
CopilotとChatGPTが基盤に、Geminiが急増
利用されるプロダクトの顔ぶれも固まりつつあるとみられる。マクロミルの発表によると、「Microsoft 365 Copilot」と「ChatGPT」が業務インフラの中心として定着し、「Gemini」の利用率が急増しているとされる。文書や表計算、メールと直結するCopilotと、発想や調査に強い汎用対話型サービスを組み合わせる構図が定番化しているとみられる。