英国の大学出願を支えるUCASは、志望動機文であるパーソナルステートメントと生成AIの付き合い方を公式ガイドで整理している。無断での丸投げを避けつつ、下書きや構成の相談に道具として使う考え方が示されている。個人の文章作成やプロトタイピングにも応用しやすい内容だ。
UCASは9月中旬にパーソナルステートメント週間を開き、ライブ配信や専門家による助言を提供した。TikTokやInstagramでの質疑応答にはUCASのコーチが登場し、出願者の疑問に答える形が取られた。文章の書き方を孤立した作業にしない支援になっている。
UCASが示すAIとの距離感
UCASのガイドは、AIやChatGPTとは何かという説明から始まり、出願文の作成における利用の是非を正面から扱っている。不正行為に当たる使い方と、学習や整理のための使い方を分けて考える構成になっている。大学側の見方を紹介する項目も設けられている。
ガイドでは、AIの利用そのものを一律に否定するのではなく、使い方の線引きを理解することが重視されている。出願者自身の経験や動機を中心に据える姿勢は一貫している。文章の主体を人に置いたまま、機械を補助に使う発想だ。
この整理は、個人開発における生成AIの利用にも通じる。成果物の核になる判断や体験を人が持ち、要約や言い換え、壁打ちを機械に任せる分担である。UCASの案内は、その分担を出願文の文脈で具体化している。
三つの問いが出発点になる理由
UCASのパーソナルステートメントは、三つの問いを軸に書く形式に整理されている。出願者が答えるべき観点が絞られているため、何を書けばよいか迷いにくい。週間イベントでも、この三つの問いへの理解を深める支援が行われた。
問いを起点にする形式は、文章の重複や冗長さを抑える働きがある。志望理由や経験、将来の展望といった要素を順序立てて配置できる。読み手である大学にとっても、比較や評価がしやすい構造になる。
個人が企画書や自己紹介文を作る場面でも、問いの設定は有効だ。自由記述から始めるのではなく、答えるべき項目を先に固定する方法である。UCASの枠組みは、文章作成の型として持ち帰りやすい。
ビルダーが支える下書きの進め方
UCASはパーソナルステートメント・ビルダーという支援機能を用意している。出願者が段階的に入力しながら下書きを組み立てられる仕組みだ。ガイドと併せて使うことで、構成の抜け漏れを防ぎやすい。

