東京ガスが接客プラットフォームのKARTEとデータ基盤のKARTE Datahubを導入し、デジタルでの顧客コミュニケーション強化に乗り出している。電力・ガスの自由化で選択肢が広がるなか、長年培ったリアルな接点にデジタルの接点を組み合わせ、顧客体験の維持と拡大を狙う取り組みだ。
エネルギー業界では料金比較や手続きのオンライン化が進み、顧客行動が大きく変わっている。対面の検針や保安点検、コールセンターといった従来の接点だけでは、顧客一人ひとりの状況に合わせた提案が難しくなっている。東京ガスの事例は、大手インフラ企業がデータを軸に接点をどう作り替えるかを示している。
電力・ガス自由化が変えた顧客接点
電力小売りの全面自由化と都市ガス小売りの全面自由化を経て、家庭や法人の顧客は供給会社を自由に選べるようになった。料金プランやセット割引、省エネ提案、暮らしに関わる付帯サービスまで競争軸が広がり、企業には選ばれ続けるための情報発信と手続きの分かりやすさが求められている。
東京ガスは大手の都市ガス事業者として、保安や供給の信頼を基盤に事業を続けてきた。一方で、新規参入や既存事業者同士の競争が激しくなり、顧客との関係を保つには契約時や引越し時、料金見直し時といった節目で適切に接点を持つ必要が生じている。デジタルチャネルの整備はそのための土台になる。
リアルの強みにデジタルを足す設計
プレイドの導入事例ページによると、東京ガスは長年の強みであるリアルな接点に加え、デジタルでの顧客コミュニケーションを強化する方針を掲げている。営業員や作業員による訪問、ショールームやイベント、電話対応で築いてきた信頼を生かしながら、ウェブサイトや会員サイト、アプリでの行動データを結びつける考え方だ。
エネルギー供給では開栓や機器修理、定期保安点検など現場での接点が多い。こうした機会で得られる顧客の声や利用状況をデジタル側の行動と突き合わせて理解できれば、必要な情報を必要なタイミングで届けやすくなる。リアルとデジタルを分断せず、一つの顧客体験として設計する点が特徴だ。
KARTEとDatahubで高速PDCAを回す
導入したのは、ウェブサイトやアプリ上の顧客行動をリアルタイムに捉えて施策に生かすKARTEと、社内外のデータを集約して活用しやすくするKARTE Datahubだ。閲覧や申し込み、問い合わせといった行動データを起点に、表示する案内や誘導を切り替え、申し込み完了率や手続きの離脱改善などに取り組める構成になる。
