Lenovoは自社の実践に基づくAI定着支援モデルにより、Microsoft Copilotの日次利用を36%高めたと発表している。単なるツール配布ではなく、準備度評価から計画策定、関係者の準備までを含む設計が特徴だ。測定と強化を組み込み、日常業務への定着を狙っている。
国内企業でもCopilotや生成AIの全社展開が進む一方、部署による利用差に悩む声が多い。Lenovoの手法はHybrid AI Advantageの一環として顧客企業にも提供される。検証済みエージェントや活用事例集と組み合わせて使う点がポイントだ。
なぜ配布だけでは利用が広がらないのか
多くの企業ではライセンス付与と操作研修で利用が広がると考えがちだ。しかし製造業や大規模組織では、本社と現場、オフィス職とオペレーション職で業務リズムが大きく異なる。変化への備えや管理職の関与、進捗測定が欠けると定着は進まない。
製造業向け導入パターンの技術者解説でも、導入前の準備としてIDやセキュリティ、データ、ライセンス、Microsoft 365の利用状況の確認が必要だと指摘されている。役割別のユースケースやデータ保護の指針なしに試行を始めると、現場は安心して試せない。利用が一部の先進層に偏る原因になる。
Lenovoも同様の課題意識を示している。AIへのアクセス付与と業務価値の創出は別問題であり、人やプロセス、測定の支援を組み合わせなければ持続しないという立場だ。変革管理を持ち込んだ点が今回のモデルの出発点である。
変革管理モデルを構成する5つの流れ
Lenovoの発表によると、モデルは準備度の評価、変化に向けた計画、管理者と利用者の準備、進捗の測定、導入後の強化で構成される。最初に組織の準備度を見極め、障壁を可視化する。次に部門別の影響を想定し、研修や支援体制の計画を作る。
管理職の準備を独立した段階に置いている点が目を引く。現場の管理職が利用場面を具体化し、部下の質問に答えられる状態を作る。これにより利用が個人の工夫だけに依存しなくなる。利用者には操作説明に加え、業務文脈に沿った使い方を提示する。
測定と強化は後付けではない。日次や週次の利用状況、問い合わせ内容、業務での活用事例を集め、発信や支援に反映させる。Lenovoは自社適用で日次利用が36%高まったとしており、測定と働きかけの往復が利用を押し上げたと説明している。
Hybrid AI AdvantageとAIライブラリの位置づけ
この変革管理モデルは、Lenovo Hybrid AI Advantageの一部として提供される。同社はハイブリッドAIを掲げ、デバイスやオンプレミス、クラウドを組み合わせた導入を支援している。検証済みエージェントや企業向け事例をまとめたLenovo AI Libraryと組み合わせる。