NTTPCコミュニケーションズが9月8日、企業の敷地内に設置できる水冷式GPUコンテナ型データセンター「DC-PKG」の提供を開始した。生成AIの本番運用が進む中、クラウドでは解決しきれない機密データの扱いや通信コスト、冷却課題に対し、設計から運用までワンストップで応える製品だ。発表によれば、エージェント型AIや推論ワークロードの実業務組み込みが急拡大する一方、ワットあたり性能の向上に伴い消費電力が増大し、冷却設備を備えたデータセンター不足が深刻化しているという。
クラウドからオンプレミスへ、インフラ選定の分岐点
generative AIの導入フェーズがPoC(概念実証)から本番運用へ移行するにつれ、企業のインフラ要件は変化しつつある。NTTPCの説明では、機密データの保護、ネットワーク制約、大容量データの通信コスト、遠隔地設備の運用負荷を背景に、AI基盤を自社敷地内に設置したいニーズが高まっている。クラウドの柔軟性を捨てきれないケースも多いが、データガバナンスやレイテンシ、ランニングコストの観点でオンプレミスかハイブリッドを選ぶ動きが加速している。
水冷コンテナが解く、高密度GPUの熱設計
DC-PKGの核心は、高発熱の最新GPUサーバーを水冷で冷やす点にある。空冷では限界に達するラック密度でも、水冷なら安定稼働が可能になる。コンテナ単位で電源・冷却・監視を一体化し、敷地内のスペースがあれば比較的短期間で導入できる。NTTPCは「設計・構築から監視・運用支援までワンストップで提供」とし、自社でデータセンター運用ノウハウを持たない企業でも扱えるようハードルを下げた。
実運用で顕在化する、GPUリソースの「共有と分離」
本番環境では、複数部署や複数プロジェクトがGPUクラスターを共有しつつ、データやモデルの分離をどう担保するかが次の課題になる。DC-PKGは物理的にオンプレミスに置けるため、セキュリティポリシーやコンプライアンス要件に合わせたネットワーク分離、ストレージ暗号化、アクセス制御を自社基準で実装しやすい。NTTPCは運用支援メニューの中で、こうしたマルチテナント運用の設計相談にも応じる方針だ。


